しくみ通信

平成29年 皇紀2677年 西暦2017年 第七の新月の日に

一日一字を記さば

一年にして三百六十字を得

一夜一時を怠らば

百歳の間三万六千時を失う    吉田松陰 

 

〈時間と自己表現〉

あなたは時間の感覚を保っていますか?

目をつむりストップウオッチで1分間を計測します。1分が過ぎたと感じたらストップさせます。どうでしょう?実際の時間とあなたの時間の感覚にズレがあれば、時間に歪みがあることがわかります。

ストップした時が40秒だとしたら、あなたが感じる一分間は実際の一分間より早く経過していることを示します。80秒だった場合は、あなたの時はゆっくり過ぎているわけです。

心が落ち着いている場合の時間はゆっくりと動き、不安定な場合の時間は早くなります。また、楽しい時間はすぐに過ぎ去り、つまらない時間は長く感じます。精神を病むと時間は長く感じられます。このように、あなた自身の〈感情が時間を決定している〉のです。

また、物事の善し悪し、古い、新しいといった価値観なども個人の感覚に依るところが大きいものです。つまり、時間も価値観も、すべて個人の感情(支配)に依って左右されています。

人間の行為が感覚的衝動であれ、あるいは他人の意向であれ、自らの意志によってせられていない場合、その行為を〈他律的行為〉といいます。反対に、自らの意志あるいは理性によって行為が律せられている場合、それを〈自律的行為〉といいます。したがって、他律はなんらかの隷属につながり、一方、自律は人格の自発性ないし自由の実現とほぼ同義語となります。

近年の情報源は〈自立的行為「自律的自立」(能動的能動)〉ではなく、一方的な〈他律的行為「他律的自立」(受動的能動)〉となり、感情や価値が支配(コントロール)されるようになりました。すると、この時間感覚のバランスが失われてきます。

このように歪んだ感情に支配されてしまうと、物事の本質がわからなくなってしまいます。そのため時間の見直しが必要になります。〈与えられた時間の消化〉ではなく、自らが〈つくりあげる時間の消化〉に切りかえることが、歪んだ感情に支配されない方法といえます。時間は与えられものではなく、自らが獲得するものだという考え方からはじめます。時間は他人から与えられているものではなく、自らがその時間を大切に有効に使うという心構えが必要になります。時間を与えられていると考えると〈時間感覚障害〉になる恐れがあります。この時間感覚障害から物事の価値がわからなくなり、その場の歪んだ感情に支配され、目の前で起こるすべての現象も歪んで見えてしまうからです。

私たちに「与えられている常識」のすべては自らの意志ではなく歪んでいるのです。

(しくみ通信「映画と時間」で詳しく解説)

 

 

自己表現とは自分の力を表すことである。

その方法を大きく分けると、次の三つになる。

贈る。あざける。破壊する。

相手に愛やいつくしみを贈るのも自分の力の表現だ。相手をけなし、いじめ、だめにしてしまうのも、自分の力の表現だ。あなたはどの方法を取っているのか。

『ニーチェの言葉』