元気な人から元気をもらえばいい

元気な人がそばにいると人生が変わります。
生活しながら周りをよく見ていると、いつも元気な人たちがいます。その元気な人たちをさらに注意して見ていると、その元気な人の周りには、同じように元気な人たちが集まっていることがわかります。

先日、私は久しぶりに小学校のときの恩師に会いました。
恩師は現在93歳、当時は音楽の先生でした。何十年ぶりだというのに、先生は私のことをちゃんと覚えていてくれて、再会できた喜びと共に思わず話が弾みました。
「久しぶりだね、富樫くん。君もずいぶん歳をとったねえ」
「えっ、先生にそんなこと言われたくないなあ・・・」私は思わずそう言いましたが、高齢となった先生は肌艶がよく、当時のままでした。
脳硬塞を患って最近まで入院していていたものの、やっとリハビリを終えて社会復帰したばかりだというのが信じられないほど元気で、
「私はねえ、富樫くん。病院に入院したとき、これで終わりだと思った。もう90歳を過ぎているし、特に希望もないし、人生にやり残したこともないし、もう何もできないだろうし、楽しい事もないし、欲しいものもない。まあこれも天命だ、と思ったんだ。使命も少しは果たしたと思えたしね。だけど病院で多くの人と出会って、少しずつ考えが変わったんだよ。それはね、同病の人たちが見ず知らずの私を励ましてくれたからなんだ」

先生は、静謐な面持ちで話し続けていました。
「それでね、同室に私より4つ年上の爺さんがいてね、この爺さんはもう何度も入退院を繰り返している脳硬塞の達人なんだ。脳梗塞の達人だなんて奇妙だが、本人がそう言うんだから、本当に達人なんだろう。実はね、この爺さんがとても明るいんだ。とてもおしゃべりで煩いと思う時もあるんだが、この爺さんの周りには、いつも笑顔が満ち溢れているんだ。その爺さんがね、
『人生ってやつはなぁ、後半からが本番じゃ。後半から全てが始まる。だから人生の後半ってやつは以外と長いもんじゃ。こうして何度も病院に入るたびに、天がわたしに生きよ、と言っている気がしてる。この間になにかを見つけろと・・・』
と、まあ、こう話すんだよ。
この爺さんと話をしているうちに、私はなんだかどんどん元気になっていくような気がしてきたんだ。とにかく明るくて、とても病人には思えなかった。私だけでなく、同室の他の患者さんも看護士さんも、担当医までもがこの爺さんの話を聞いてね、みんなが笑顔になっていくんだよ。不思議なことだと思って、私はこの爺さんに尋ねてみたんだ。
『素朴な質問ですが、どうしてそんなに元気でいられるのですか?』
すると爺さんは、
『わたしにはなぁ、わたしを元気にしてくれる人がいっぱいるんじゃ。元気になりたきゃ元気な人から元気をもらえばいい。元気にしてくれる人が身近にいなかったら、自分が元気をあげる人になればいいんじゃ。元気というのは人様からもらうこともできるし、人様にあげることもできる。元気な姿を見ることもできるし、元気な姿を見せることもできる。そうやってお互い様に元気になることができると思っているんじゃよ』
私は、なるほどと思った。
『そうか。よし、自分はまだ90歳、これからが本当の人生だ。まだまだやらなければならないことがいっぱいある。なによりもこの爺さんみたいな生き方をしたい。人に元気をあげられる人生を過ごしてみたいと、そんな夢が湧いてきたんだ。自分にもまだまだ何かできそうな気がしてきたんだよ…。私は長いあいだ音楽教師をしてきたので、地域のために作曲して何か残そうと考えているところなんだ…』
と、先生は私にとても元気に話してくれました。
先生は、教え子の私に元気をあげようと思ったのでしょうね…。

©Social YES Research Institute / CouCou

つるた勝巳税理士事務所

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