皇紀2679年 西暦2019年 平成31年 第二の新月の日に

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「わかるということは、わからないことがわかる、ということを含んでいて、部分的知識ではない…わからないことに直面しているということを直視し、受け容れることができたら、経営のほとんどの問題は解決する」(エルンスト・カッシーラー「現代物理学における決定論と非決定論より」)

中小企業経営者に、このカッシーラーの戯言をどう活用するか?

 

現代社会では、これを「ブランディング(branding)」と呼んでいます。ブランディングは、価値あるブランドを構築するための活動。自社ブランドの特性や競合する企業との違いを明確に提示することで顧客や消費者の関心を高め、購買を促進することを目的とし、消費者との信頼関係を深めることによりブランドの訴求力を向上させ、競合他社に対して優位に立つことをいいます。

 

なかでもキャラクターをブランディング化することは、経営を促進する効果があります。

無機質な組織や商品は、その本質を伝えにくいものですが、楽しさや面白さで感情、精神性、物語性、ドラマ性を与えることのできるキャラクターは、「わからないことを伝える」ためのメデイアとなります。また、キャラクターにはビジネスをエンターテイメント化する要素があり、経営上のコミュニケーションに役立てることもできるのです。

動物や植物などのシンボル化(象徴、目印、記号、標章)は、「ビジネスの人間化」として神話の時代からありました。太古の人間にとって自然は、水や食料を与えてくれる慈悲深い神のような存在であり、天災、天敵は無慈悲に命を奪う悪魔のような存在でもありました。その不可思議であまりにも大きすぎる世界を理解するために人間が生み出したものが神であり、神話などの原始宗教でした。

ドイツの哲学者エルンスト・カッシーラーは、本能や感覚によって物事を受け取る動物に対して、シンボル体系を創りだして意味を見いだす人間を「animal symbolicum(象徴を操る動物)」と呼んでいます。シンボルは価値観に訴えるものであり、自分たちの生きる意味とブランドが深く結びつくことで意味を持つわけです。

 

アップル社のパソコンを立ち上げると、最初に画面に登場するのが「Hello」という挨拶です。創業者スティーブ・ジョブズは1984年の時点でこうしたマシンの擬人化をやっていたことになりますが、これもわからないことを伝える方法の一つといえるでしょう。

 

エルンスト・カッシーラーは、ユダヤ系のドイツの哲学者、思想史家。

新カント派に属し、“知識の現象学”を基礎にしながら、シンボル=象徴体系としての「文化」に関する壮大な哲学を展開した。 息子のハインツ・カッシーラーも新カント派の哲学者となった。(ウィキペディア)

精神の主要な働きは、それに与えられる入力の客観化である。客観化作用の結果、シンボルが創造される。この概念はハインリヒ・ヘルツが用いたもので、シンボルは認識が創りだした自由な「虚像」であり、この直接の対応物が感性的所与にあるわけではなく、対応関係が無いがゆえに、この概念の集合は自己完結的なものとなる。

また、シンボルを用いて客観化されるものは、はじめは精神に即す自的であるから、客観化は精神そのものの自己開示である。シンボルの形式には芸術、言語、神話、科学、数学など多様なものがあり、これらは存在の反映、写像ではない。「むしろ独自の光源であり、見ることを条件にするとともに、あらゆる形態化作用の根源をなしているのである」。カッシーラーは文化批判を通じて、カント的な理性批判を引き継いでいる。

批判で理解、立証しようとするのは、「文化の内容というものはすべて、それが単なる個別的内容以上のものであり、ある普遍的な形式原理に基礎を置いている限り、精神の根源的な活動を前提にしているということである」。(カッシーラー著「シンボル形式の哲学」岩波文庫より)

 

 

「わからないことがわかる…」ためには、「見えやすい」ものにしていく必要がある。

それは、数字化された目標設定だと思うのです(鶴田勝巳)。

 

 

 

鶴田勝巳税理事務所 所長・鶴田勝巳の通信より

つるた勝巳税理士事務所

デジタルの中で、アナログにどう生きるか

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