明日への手紙〈あれから〉

明日への手紙〈あれから〉

 

夜汽車に乗っていつまでも、いつまでも手をふり続けていたつばさ。

あれから2年が過ぎ、もうすぐ母になるつばさ。

私はあなたのことを、ひとり想い出しています。

花嫁になる日までのあなたの想い出をかみしめたように、もう一度あなたの幼い頃のことを味わっています。

 

子どもが生まれると、周りにはあたたかな、しあわせな雰囲気が生まれるのはなぜでしようね。赤ちゃんは泣きますが、周りは笑顔に包まれます。あなたの泣き声を想い出しました。わたしもあなたと一緒に泣いていたのを覚えていますか?その日はかみさまが与えてくれた今日という一日でした。

あれから28年以上もの年月が流れました。次はあなたが母親になる番ですね。そして、わたしが微笑む番です。あなたが、これから誕生する赤ちゃんと一緒に泣いているのが見えます。実は、そんな情景を思い描きながら、わたしもまた泣いてしまっているのです。

いのちからいのちへ、そしてまた、いのちからいのちへと続いていくのですね。

おばあちゃんからわたし。わたしからあなた。生まれてくる赤ちゃんは四代目になるのね。

もうすぐ三人の母親に見つめられて、四人目の母になる子が生まれます。

 

さあさあ、顔を見せてちょうだいな。

新しいいのちさん、あなたにふたつの詩を贈ります。

 

「TODAY(今日)」

 

今日、わたしはお皿を洗わなかった。

ベッドはぐちゃぐちゃ。

漬けといたおむつはだんだんくさくなってきた。

昨日こぼした食べかすが、床の上からわたしを見ている。

窓ガラスはよごれすぎてアートみたい。

雨が降るまでこのままだとおもう。

 

人に見られたらなんていわれるか。

ひどいねぇとか、だらしないとか、今日一日、何をしていたの?とか。

 

わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた。

わたしは、この子が泣きやむまで、ずうっとだっこしていた。

わたしは、この子とかくれんぼした。

わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした。

それはきゅっと鳴った。

わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった。

わたしは、この子にしていいこととわるいことを教えた。

 

ほんとにいったい一日何をしていたのかな。

たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと。

でもこう考えれば、いいんじゃない?

 

今日一日、わたしは、澄んだ目をした髪のふわふわなこの子のために、

すごく大切なことをしていたんだって。

 

絵本「今日」作者不詳 伊藤比呂美訳 福音館書店刊より

 

 

人は生まれる時に泣き、周りをしあわせの笑顔でいっぱいにしますね。

人が逝く時、やっぱり周りは涙を流し、悲しみの渦に包まれます。

逝く人は感謝の微笑みに包まれて、この世から離れていきます。

でも、どちらも幸せと喜びと感謝の涙。

 

 

「A TOUCH OF LOVE(ふれあい)」

 

六月の赤ちゃん。

笑顔をふりまくあなた。

わたしが瞬きするうちに、いつのまにかひとつになっていた。

 

ふたりでいっぱい楽しむはずだった一年なのに、

いつのまにか、あなたはふたつになっていた。

 

ふたつのあなたは、わたしに甘えっぱなし。

みっつになったら、自分の意志を持ちはじめた。

 

みっつのお誕生日、もう少しこのままでいてほしいと願ったけど、

ケーキの上のろうそくは四本になっていた。

よっつになったあなたはすくすく育ち、

ああ、もうあなたはいつつになってしまった。

 

今やあなたは本や規則を受け入れる時がきた。

そう、あなたはもう学校に行く歳になった。

 

ついにその日がやってきて、あなたはきっと不安でいっぱいのはず。

ふたりでゆっくりと名残を惜しみながらバスに向かう。

 

あなたがバスのステップに足をかけ、わたしにさよならと手をふる。

言葉につまり、わたしは涙が止まらなくなった。

 

ああ、時間はなんと早く流れていくの。

つい昨日まで、あなたと過ごした時間は夢のよう。

 

そして明日、バスがあなたを連れ帰り、あなたの両足が地面についたとき、

あなたは立派にキャップとガウン(卒業式)を身にまとっているのでしょう。

 

だからこそ、わたしはこの一瞬一瞬を握りしめておこうと想う。

次にあなたを見やるとき、あなたの横にはたくましい男が立っているのだからね。

 

作者不詳 創訳COUCOU

 

 

ああ、時は、なんて早いのでしよう。

人生はまるで砂時計のように思えます。

 

ある百歳の老人はいいました。

「百年なんてあっという間に過ぎる。もし人生が二百年あっても同じだろう。だがな、一日を一年、十年と想って味わえば、何百年も人は生きることができる。だがな、実際に何百年生きたとしても同じ。人生はあっという間に過ぎ去るものよ・・」

 

 

©Social YES Research Institute / CouCou

つるた勝巳税理士事務所

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