気にとめておいてください。

気にとめておいてください。


「あいつ、今何をしてるのだろう…」
「あの人、今何をしているのかしら…」
心に誰かがよぎる…こんなことはありませんか?
そんな時、迷わずその人に連絡をしてみませんか?

 私の友人に離婚した女性がいます。
もちろん、離婚には事情があり、ひとり娘とは一切の連絡が取れず、離ればなれになっています。女性はとても愛情深い人で、本来ならノイローゼになってもおかしくないくらい娘を愛していました。
母親としての言い分を話したからといって解決するわけもありません。娘と離ればなれの独り暮らしをしていても、気丈に明るく振舞っている彼女でしたから、周りの人は特に心配もしていませんでした。しかし、一見強そうに見えても、強い人など世の中にはいません。やはり彼女も深い孤独感や罪悪感に苛まれていました。

「一人暮らしにも慣れたし、男なんて必要ないわ。独身気分の生活はとても楽よ。今更くよくよしたって物事が解決するわけじゃあないもの。わたしは負けないよ、この人生に」
これが彼女のいつもの口癖でした。このように、強気な口調で、傍からは「あの人なら大丈夫よ」と言われるぐらいしっかりしている女性でした。

そんな彼女のもとに、十数年ぶりに高校時代の友人から電話が来ました。
「久しぶり、元気?あんたが連絡くれないから電話しちゃった。離婚して娘と離ればなれだと風の便りで聞いたけど、大丈夫?あんたは我慢強いというか、頑固っていうか、そのくせ一人誰もいないところで苦しんでいるんじゃあないかと思って電話したのよ。久しぶりに二人で会おうよ」
久しぶりの友人からの連絡。思いもかけず自分のことを心配してくれていることに驚き、彼女はただ「うん、うん…」と、うなずきながら泣いていたといいます。
後日談ですが、彼女はその日どうしようもなく落ち込み、これからどう生きようか、どう生きていったらいいのか、希望もなく、自分の人生に疑問を持ち、死ぬことすら考えていたのです。
「あんたわねぇ、昔から頑張りすぎ、真面目すぎるんだよ。だから、わたしは学校を卒業してからも、ずうっと気に留めていたよ。全く会えなくったって、いつも、いつも気に留めているからね」
その言葉に「うん、うん…」とうなずきながら、彼女は電話口で今の気持ち、今の想いをおもいっきり友人に打ち明けました。
後日、二人は久しぶりに待ち合わせをして、会えなかった時間を超越するほど何時間も語り合いました。それ以来、二人は頻繁に会うことになったといいます。後にその友人も離婚し、二人の親交はさらに深まっていったそうです。

何十年も会っていなかったに拘わらず、なぜ友人はこの時に電話をしたのでしょう?
その友人は「虫の知らせ」だったといいます。
虫の知らせというと、あまり良くない事のように思えますが、誰にも虫の知らせはあるものです。もしかすると、誰かがあなたからの連絡を待っているかもしれません。
ある時、ある人が、とても懐かしく思えて来たり、なぜだか無性に会いたくなったり、声を聞いてみたくなったり…と、そんなとき躊躇わずに連絡をしてみたらどうでしょう。
連絡をもらった人はとても嬉しいはずです。
「いつも、いつでも、気に留めているよ。どんなに離れていても忘れていないよ…」
こんなに嬉しい言葉はないでしょうね。

「元気だった?」
「声を聞きたかったから…」
「どうしているかと思って」
きっと、それだけで良いのかもしれません。
だって、人は言葉ひとつで救われるから。


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つるた勝巳税理士事務所

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